言葉
「例えば、いくら『好き』だと言っていたって、その人がホントにそう思ってるかなんてわからない。微笑みのしたでは君への憎悪が渦巻いているかもしれない。人が“本当は”何を考えてるかなんて、誰にもわからないんだよ。だから僕らはその人が何を思っている…
鳥は卵の中からぬけ出ようと戦う。 卵は世界だ。 生まれようと欲するものは、一つの世界を破壊しなければならない。 ―――ヘルマン・ヘッセ「デミアン」
というのは村上春樹の言葉なんだけど、これって字面そのまんまの意味じゃなくて、「誤解というのも理解の一部なのだから、真摯に受け止めなくちゃいけないよ」という書き手側への戒めと、「自分の理解が誤解である可能性があるのだから、それを過信するな」…
みんながいよいよ出発するというもっとも重大なその晩に、風向きは東にかわりました。風は十二時をすぎるとまもなくふきだしたのですが、日がしずんでからでなくては、出発しないことにきめていました。 海はあたたかく、深い青色は水晶玉の中の青のようでし…
「ペンのない剣はただの野蛮、剣のないペンはただのへたれ」なのかなぁ。
そんなことを痛感した。
「俺は俺の弱さがすきなんだよ。苦しさやつらさも好きだ。夏の光や風の匂いや蝉の声や、そんなものが好きなんだ。どうしようもなく好きなんだ。君と飲むビールや・・・・・・」鼠はそこで言葉を呑みこんだ。「わからないよ」 僕は言葉を探した。しかし言葉は…
「だけどそれは見せかけなんだ。 自分勝手な思い込みなんだ。 祈りみたいなものなんだ。 ずっと続くはずないんだ。 いつかは裏切られるんだ。 僕を見捨てるんだ。 ―――でも僕はもう一度会いたいと思った。 その時の気持ちは本当だと、思うから」 ―――新世紀エ…