「決壊」

決壊 上巻

決壊 上巻

決壊 下巻

決壊 下巻

「そう、人間だから、誰かを殺すかもしれない!沙希ちゃんの推定に俺は完全に同意する!人間の自由っていうのは、そういうことだよ!だけど俺は、たとえ他の誰かを殺してしまうようなことがあったとしても、良介は殺さない!俺は俺の正体で以て、俺が殺人者でないことを証すなんてできないよ!たとえ、沙希ちゃんが、世界全体の代理人としてもね!だけど、俺が良介を殺すはずはないんだよ!俺は良介を愛していた!本当に!そうしてあいつは、俺にとっての痛切な現実だった!分かる?そういう人間は、掛け替えがないんだ!いい?聴いてる?俺は良介を殺してない!・・・・・・」(下巻p139)