「キャッチャーインザライ」
- 作者: J.D.サリンジャー,村上春樹
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2003/04/11
- メディア: 単行本
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コーンフィールドっていう名前は明らかにコパーフィールドを意識してるんだろうな。冒頭でも言及してるし。
それからフィービーが何か言ったんだけど、よく聞こえなかった。なにしろ口の片方の端を枕にしっかり押し付けているもんだから、言ってることが聞き取れないんだよ。
「何だって?」と僕は言った。「枕を放し名よ。枕に口をつけてしゃべったら、よく聞こえないんだからさ」
「けっきょく、世の中のすべてが気に入らないのよ」
それを聞いて、僕はさらにぐんぐん落ち込んでしまった。
この後ホールデン・コーンフィールドは「好きなもの」として、死んだ弟アリーや、妹フィービーとのおしゃべりなどを挙げるんだけど、フィービーには「ぜんぜん意味のないこと」と一蹴されてしまう。
「てっきり『誰かさんが誰かさんをライ麦畑でつかまえたら』だと思ってたよ」と僕は言った。
「でもとにかくさ、だだっっぴろいライ麦畑みたいなところで、小さな子どもたちがいっぱい集まって何かのゲームをしているところを、僕はいつも思い浮かべちまうんだ。何千人もの子どもたちがいるんだけど、ほかには誰もいない。つまりちゃんとした大人みたいなのは一人もいないんだよ。僕のほかにはね。それで僕はそのへんのクレイジーながけっぷちに立っているわけさ。で、僕がそこで何をするかっていうとさ、誰かその崖から落ちそうになる子どもがいると、かたっぱしからつかまえるんだよ。つまりさ、よく前を見ないで崖の方に走っていく子どもなんかがいたら、どっからともなく現れて、その子をさっとキャッチするんだ。そういうのを朝から晩までずっとやっている。ライ麦畑のキャッチャー、僕はただそういうものになりたいんだ。たしかにかなりへんてこだとは思うけど、僕が心からなりたいと思うのはそれくらいだよ。かなりへんてこだとはわかっているんだけどね」
ここなんかすごくいいよなぁ。
・・・それにしても翻訳で「やれやれ」を使うなよw
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