「オートポエーシス-第三世代システム」メモ

オートポイエーシス―第三世代システム

オートポイエーシス―第三世代システム

1 動的平衡系―第一世代システム
2 自己組織化―第二世代システム
3 オートポイエーシス―第三世代システム
4 オートポイエーシスの展開
終章 システムの日常―カフカ『プロセス(審判)』をめぐって

・階層をひとつ登るというのは、新たな媒介変数が生じること。


・完成した細胞のような動的平衡系(第一世代システム)は次のような特徴を持つ。
  ・各部分は相互の空間的配置に一定のパターンを示し、そのパターンは不変。生物のホメオタシスはその一例。
  ・部分に欠損が生じても、隣接する部分が補う。
  ・下位の階層は上位の階層を保つための手段であると同時に、それよりも下位の層が維持すべき目的でもある。
  ・部分(下位)が全体を作ると同時に、全体(上位)が部分を位置づける。
  ・動的平衡が成立している以上、時間に対して不変、つまり時間は変数としては無視できるから、関数表示すれば、f(x,y,z,・・・・・α,β,γ)となる。x,y,・・・はエネルギーなどを指標する変数で、あるふぁなどは調整因子(神経系など)を示す。(ここはよくわからない。)
  ・第一世代システム論においては、階層の関係が重要視される。


・生成中の結晶のような動的平衡システム(第二世代システム)は次の特徴を持つ。(p80)
  ・自己組織化の生成プロセスは偶然開始される(初源の偶然性)
  ・生成の分岐点で片方の事態が生じれば、システム全体はそちらに流れる。
  ・システムは環境との相互作用を通じて境界を変化させていく。システムが周辺条件に与えた影響は、システムそれ自体にフィードバックされる
  ・システムと環境とのあいだでは、物質代謝、エネルギー代謝、情報代謝が行われる。
  ・システムと相互作用する環境とは別に、環境を区別する壁が先天的に与えられなくてはならない。壁はシステムと相互作用しない。
  ・生成プロセスそれ自体が生成される(自己言及)。自己触媒作用なんかはこれにあてはまる。
  ・関数表示はf(x,y,z,t,a,f1,f2,f3,・・・・)+α。x,y,zはエネルギーや位置の変数。また、自己組織化は生成のプロセスそれ自体のことだから、時間tも変数である。aにはいまだ解明されていない変数が入る、らしい。fは、自己言及性を表す。つまり、生成プロセスの結果がそれ自体に組み込まれることを示す。αは環境との相互作用でもたらされる変数?らしい。


オートポイエーシス(第三世代システム)の特徴
  ・自立性、個体性、境界の自己決定、入力と出力の不在。
・入力と出力がないというのは、システムそのものからプロセスを眺めた場合、自分自身を産出しているように見えるということ。外部から隔離されているわけではなく、むしろ開放されている。
オートポイエーシスは第三者から見ると自己を自在に創出しているように見えるが、別に目的論的自然観でも、生気説でもなく、機械論である。けれども、結果から見た決定性という意味での決定論ではない。システムは自分自身によって決定されている。(p209)ここの部分もよくわからない。