「過剰と破壊の経済学」

目次
* 序章 ビッグ・ブラザーの死
o オーウェルの予言
o 1984年のコマーシャル
o 中央集権システムの終焉

* 第1章 ムーアの法則とは何か
1. トランジスタからICへ
o トランジスタから集積回路
o シリコンの書物
2. ゴードン・ムーアの予言
o 半導体のコストは1億分の1になった
o なぜそれは法則になったのか
o 半導体だけではない
3. コンピュータという万能機械
o デジタル革命の意味
o チップの中の汎用コンピュータ

* 第2章 ムーアの法則で何が変わるか
1. 情報インフラはコモディティ化する
o 過剰な資源を浪費する
o アンドリーセンの予言
o プラットフォーム競争
2. 問題はボトルネック
o ギルダーの法則とITバブル
o ブロードバンド「日本の奇蹟」
o ムーアの法則の限界?
o 電波という人為的ボトルネック
3. 人間がボトルネックになる
o 関心の経済
o 広告から狭告へ
4. 情報は個人化する
o マスメディアからパーソナル・メディアへ
o ロングテールの発見
o 個人情報の価値
5. 垂直統合から水平分業へ
o 複雑化するソフトウェア
o ソフトとハードの分離
o 汎用技術と産業構造
6. 業界の境界はなくなる
o すべての情報機器はコンピュータに
o ハイビジョンの挫折
o 通信・放送はIPで融合する
7. 中央集権から自律分散へ
o 工程のモジュール化
o 破壊的イノベーション
o 中国の挑戦
o 資本主義の変容
8. 系列関係から資本の論理へ
o パラダイス鎖国
o 携帯電話の失敗
o 系列構造の功罪
o 企業買収による再編
9. 国際化からグローバル化
o グローバル化の第3段階
o 巨大資本が世界を駆けめぐる
o 主権国家から「帝国」へ
o サイバースペースは独立か

* 第3章 ムーアの法則にどう対応すべきか
1. 情報コスト1/100の世界を想定する
o ユーザー中心の進化
o ハードとソフトを分離する
o マーフィの法則
2. 水平分業で生き残るには
o すり合わせの神話
o 非コモディティ化
o プラットフォームを変える
3. ものづくりからサービスへ
o iポッドの教訓
o ボトルネック著作権
o 個人情報保護法という障害物
4. 産業政策から資本市場へ
o 国際競争力という妄想
o ダーウィン的メカニズム
o グローバル資本主義による企業再編

* 終章 孤独な世界の中で
o ITは格差を拡大する
o 放たれた魔物

ムーアの法則によってコンピュータがコモディティ化するという話。

去年の末の本だから、いまさら感はある。それでも今が第二次産業革命の真っ只中なのかもしれないということを再認識させられた。思えば、歴史上の大事件なんて後の時代の人がラベリングして初めて重要と認められるわけで、18世紀イギリスを生きた労働者らが時代の節目を強く実感していたわけではない。これからもそれは同じで、気が付いたときには色々なことが変わっているんだろうな。そんな時代を生き抜かなきゃいけないのだけど、正直自信ないなぁ。