オリンピックに初めて熱中した。

北島の2冠にも柔道の惨敗も正直どーでもいいと思っていた僕だが、
昨日やってた女子卓球団体戦には惹かれた。

何がよかったか。平野早矢香選手だ。
彼女のどこが素晴らしかったか。顔だ。

あんな強烈な顔は初めて見た。視線の先にあるものを焼ききってしまうような、そんな表情。

勝つとか負けるとかメダルとか記録とか、そんなことを考えてすらいない、ただ相手を「喰らう」ことのみに集中した顔。ほかの選手には見られない、徹底的に硬質な何かだった。

平野は負けた。日本も負けた。メダルは逃した。
けれども、全身が震えるのが、涙が流れるのが止められなかった。